KKB 宮城県視察

2025.10.20

10月上旬にKKBの勉強会及び交流会がありました。
視察先として仙台の工房 零さんにモデルハウスや施工中の現場など
見学させて頂きました。
この交流会には日本全国から工務店の代表と共に大工さんが参加。
普段大工さん達は、他の大工さんとの交流する機会はあまりなく、
KKBとして初めての試みで、とても刺激的でした。
大工さんにも色々な仕事の体制があります。
・工務店が大工さんを社員として雇う社員大工
・工務店から仕事を頂く、請負大工
大きく分けるとこの2パターンです。
弊社の場合は、請負大工さんにお願いしてます。
いつも同じ大工さん達ですが。

この交流会では、社員大工さんと請負大工さんが参加。
お互いの課題や今後について熱い議論がなされました。
工務店の代表も交え、働き方や若手育成など心に響くものが
ありました。
その後、懇親会をへて工房零さんのゲストハウスに宿泊

ゲストハウスでも、熱い建築談義が夜中まで繰り広げられました。
外では、サウナや焚火などとても楽しい時間でした。

2日目は、大工2名による発表。
まずは、牛乳石鹸のポスターにもなった木又さん

木又さんは昔ながらの工務店、大工。
墨付け、刻み、カンナなどまさに手がモノを云うTHE大工。
若手の育成や人との向かい方、決意など心に響く内容。
木又さんも若手の頃、世話になった先輩や師匠に言われた言葉が
私も同じ思いでとても感銘しました。
「恩は、返すことはない。次の人に繋いでいけばいい。」
今の私があるのは、色々教えてくださった方々が沢山います。
その方々すべてに恩を返すのは、難しいです。
これから学ぼうと思っている方いれば、私の持っている知識で良ければ
すべて差し上げます。私がしてもらったんだから、私も!
続いては、山梨の天野さん

天野さんは、いち早く大型パネルを取り入れた大工さん。
家を建てる際、上棟(建て方)はとてもハードな仕事になります。
私も一日現場で建て方に加わると一週間くらいは、体に疲労が残ります。
これは、私だけではなく建て方する大工さんも一緒です。
大型パネルを採用すると、工期短縮や建て方の疲労軽減に繋がります。
木又さんとは、真逆というイメージです。
でも簡単建てたいと言う事ではなく、大工という職業を守る手段の一つなのです。
高断熱高気密の住宅をまともに作ろうならば、断熱材を入れたり、気密シートを張ったりと
木本来大工の得意とする木を扱う事以外の作業が多くがる現状です。
大型パネルですと、工場にてある程度断熱材やサッシなどをはめ込んできてくれるので、
造作や家具などに力を注ぐことが出来るそうです。
これも大工。木又さんも天野さんも考え方や工法に違いありますが、
大工として良いモノを作りたいという最終地点は同じなのです。
色々と考えさせられる2日でした。

タカモク 高梨