福島市 迎入れる家のお引渡し

2023.01.28

迎入れる家のお引渡し行いました。
迎入れる家とは、家族が集まるときを楽しみにする家というイメージで名付けけさせていただきました。

外壁はガルバリウム鋼板を使用。戸袋や外納戸など手の届くところは板張りにしてます。
ガルバのカラーはシルバーブラックで天気(空の色)によって様々な表情を見せてくれます。
板張りのは杉の板をドイツの自然塗料で着色してます。木の外壁には、レッドシダーなど外国の木材が使用されることが多いですが弊社では杉を使用します。日本の国土には多くの杉があり、それを育てる林業農家がいたり、製材する製材所があります。なるべく地産地消を意識し、地元の還元を行い持続可能な素材として大切にしたいです。

植栽、石や板張り

コンクリートでできた塀は、ヒンプンと言います。沖縄では魔除けとして古い家のアプローチに石で作られております。
今回はヒンプンをビシャン仕上げにしております。削り、叩き、荒々しい仕上げです。影が少し出て、様々な表情が出て、植栽などとの相性がとても良いです。

室内は落ち着いた雰囲気を大切に設計しました。

全面道路の交通量、人通りが多い敷地でした。このような場所で豊かに暮らすには陰と陽が大切だと感じました。
陽 明るく庭も見え日射を多く取り入れ、外部とのつながりを強く感じるところ。
陰 直射日光が当たらず、少し暗いところ。

陰と陽のバランスを大事に生活していく上で、気分次第でどこの場所に居たいかを自然と選択できるような空間を目指しました。

リビングの上には吹き抜けがあり、窓から日射が降りぞそぎます。

吹き抜けの窓により、家の奥にまで陽が入る時間があります。

大きな窓には、障子を仕込んであります。少しですが外の植栽の影が見えてます。障子も弊社の得意技です。和紙一枚で部屋の雰囲気が変わるのでお気に入りの仕様です。

迎入れる家のクライアントとの出会いは2年半前で当時は土地もお持ちでなく。土地探しからのスタートでした。見つけてはダメ出しをする繰り返しでなかなか良い土地に巡りまでに時間がかかってしまいました。場所、価格、日射などを考えると100点満点の土地はなかなかありません。良くても70点、80点というところでしょう。でも私たち設計者は、クライアントがこの土地で良かったと思える家を設計しなくてはならないと思っております。車の置き方、玄関の場所、家の配置、庭との繋がり。どれを怠っても良い家にはなりません。日々、手を練り目を凝らす事を続けてこれからもクライアントが満足いく家を設計していきたいと思います。

タカモク 高梨