親が元気なうちは、なかなか話題にしづらい実家のこと。
いつかは考えなくてはいけないと思いながら、つい後回しにしてしまう。
「誰がこの家を引き継ぐんだろう」
「自分たちはもう別の場所に家があるし……」
「誰も住まなくなったら、どうする?」
実家の相続には、お金や不動産のことだけではなく、家族それぞれの気持ちが関わってきます。
調べれば制度や手続きのことはわかっても、「じゃあ、わが家の場合はどうしたらいいんだろう」という答えは、なかなか見つからないものです。
今日は、そんな実家のこれからについて、少し考えてみたいと思います。
家族だからこそ、話しにくいこと。
相続というと、まず思い浮かぶのは税金や財産のことかもしれません。
でも、実際にはそれ以前に考えなくてはいけないことがあります。
誰が実家を引き継ぐのか。
きょうだいの誰かが住むのか。
誰も住まないなら、維持管理はどうするのか。
そして何より、親はどう考えているのか。
家族だからこそ、遠慮してしまうこともあります。
お金の話を持ち出すことが、どこか気まずかったり。
親が元気なうちから相続の話をすることに、抵抗を感じたり。
これまで仲良くやってきたきょうだいだからこそ、関係を変えてしまうような話はしたくない。
そんな気持ちも、よくわかります。
でも、話さないままでいることと、問題がないことは、少し違います。
今すぐ結論を出さなくても、家族がそれぞれどう考えているのか。
まずはそこを知ることが、実家のこれからを考える第一歩になるのかもしれません。
誰も住まなくなった家は、どうなる?
実家を離れて暮らしていると、帰省するたびに懐かしさを感じるものです。
昔と変わらない玄関。
家族で囲んだ食卓。
子どもの頃に過ごした部屋。
でも、そこに誰も住まなくなったとしたら。
家は、人が住まなくなっても、そのままの状態で残り続けるわけではありません。
定期的な換気や掃除、庭木の手入れ。
屋根や外壁の点検、傷んだ設備の修繕。
そして、毎年かかる固定資産税。
特に雪の多い地域では、冬の管理も大きな負担になります。
使っていない家であっても、維持するためのお金と手間はかかり続けます。
管理が行き届かず、空き家の状態が悪化すれば、行政から指導や勧告を受ける場合もあります。
だからといって、すぐに売ったり、壊したりする必要はありません。
ただ、「とりあえず、そのままにしておく」ことにも、費用と責任が伴う。
そのことは、知っておきたいところです。

思い出のある家を、手放すということ。
実家を売る。
あるいは、解体する。
言葉にすると簡単ですが、実際にはそう割り切れないものです。
自分はもう住まないとわかっていても、なくなってしまうと思うと寂しい。
親が大切にしてきた家だから、できれば残しておきたい。
そんな気持ちがあって当然だと思います。
家は、単なる建物ではありません。
そこには、家族が過ごしてきた時間があります。
だからこそ、実家のこれからを考えるときには、資産としての価値だけでなく、家族の気持ちも大切にしたいと思っています。
残すこと。
誰かに住んでもらうこと。
リフォームして、新しい暮らしの場所にすること。
そして、手放すこと。
どれが正しいという話ではありません。
大切なのは、家族が納得できるかたちを見つけること。
思い出を大切にする方法は、必ずしも建物をそのまま残すことだけではないのかもしれません。
古い家にも、これからの可能性がある。
私たちは工務店として、これまでさまざまな住まいに関わってきました。
古い家だから、もう住めない。
そんなふうに、築年数だけで判断できるものではありません。
建物の状態や構造、立地によっては、リフォームやリノベーションによって、新しい暮らしの場所として生かせることもあります。
一方で、修繕に大きな費用がかかる場合や、これからの暮らしに合わない場合には、建て替えや売却を考えた方がよいこともあります。
大切なのは、今ある家に何ができて、何が難しいのかを知ること。
そのうえで、残すのか、直すのか、手放すのか。
選択肢を整理していくことだと思います。
「わが家の場合」を、一緒に考える。
実家の相続には、ひとつとして同じ答えはありません。
家族の人数も、住んでいる場所も、家への思いも違います。
相続の制度や税金については、税理士や司法書士など、専門家の力が必要になることもあります。
一方で、建物の状態やリフォームの可能性、今後の維持管理については、私たち工務店がお手伝いできることがあります。
まだ相続が決まっていなくても。
家族で話し合う前でも。
「この家、これからどうしたらいいんだろう」
そんな段階から、相談していただいて構いません。
実家をどうするか。
それは、これまで家族が過ごしてきた場所を、これからどうしていくかということ。
急いで答えを出す必要はありません。
でも、いつか考えなくてはいけないことなら、少しずつ向き合ってみてもいいのではないでしょうか。
大切な家だからこそ、これからのことも、丁寧に。
タカモクでは、実家の相続や住まいのこれからについてのご相談も承っています。
まずは、今の状況や気になっていることを、お聞かせください。
